映画『ミラクル・ニール!』誤解コメディ。ストーリーはオマケ

ギャグは面白かったけど、ストーリーやキャラクターは微妙だった。微妙だったというのは、想定外のことが起きなかったというか、なんかありがちな展開に感じた。

一応、「全能の力を手に入れたら」という(ベタだけど)ワクワクする設定になっていて、それで何をすべきなのか、と主人公のニールが悩むところまでは行く。が、その先がなく、ニールがこの力を放棄することでストーリーは終わる。

まあ、普通の人間であることを肯定するっていう内容はいいと思うんだけど、あまりにも一般的なオチに感じた。一番無難な落とし方だなっていう。

 

その上で、確かにギャグ面白いんだけど、正直中盤かなりたるんでた。

というのも、ニールが何かを叶えようとして、解釈が違って変な失敗をする、というパターンをほぼ繰り返しているだけだったからだ。

ニールがこの力を使って何か新しいこととか大きいこととか、驚くようなことをして、話が展開していくんだろうと思って観ていたので、全然何も起きなくて、そういう意味では退屈だった。

いや、本当に最後の最後まで、凄く内輪な話を続け、ようやく大きな願い(世界平和とか、環境問題とか)に着手するも、あまりにも単純に問題を捉えていたがために失敗し、「そんな簡単じゃないよね」と言って、力を放棄する。

だから、思考実験的な問いは本当にほぼ含まれていない。まあ、納得できなくはないけど、当たり前なオチ過ぎて驚きやら、楽しさはない。この映画は、そこについて掘り下げる気は全然ない。

 

で、主に描かれているのはニールの恋愛で、これも、うーん、ツマラナイとまでは言わないけど、そんなに良くない。相手のキャサリンにしても、キャラクターとして凄く魅力的に描かれているという感じはしない。とにかくニールが好き好き言っているから、ストーリーのニーズとしては「魅力的なんだな」と理解はできるんだけど、ストーリーを外しても魅力的だと思えるキャラクターにはなっていないと思う。

僕としては、自分のストーカーがニールに銃を突きつけていたのに、その2人をほっぽって呆れて帰るっていうのに、物凄い自分勝手さを感じた。

いや、キャサリンはストーカー被害者なので、ニールとストーカーが喧嘩していることの責任は別にキャサリンにあるわけじゃないけど、でも常識的に考えて、警察呼べよって普通に思った。

突然押しかけてきてセックスしたり、危険な事をしている人を放っておいたり、なんかなぁ。結局、ルックスがいいだけの人に見えた。

そんな人に恋してるニールもなんだかなぁって思ったし、全体的にキャラクターも魅力的には感じなかった。

 

それでじゃあ、この映画は何をやってたかと言えば、ギャグをやっていたのだ。ストーリーはとりあえず映画として成立させる為に付けておきました、ぐらいな感じだった。だから願い事ギャグ100連発に、一応ストーリーが付いてる、と思って観たほうが良いんじゃないかと思う。一応ストーリー仕立てになっているCMみたいな、そういうストーリーの受けとり方。

ギャグは結構面白かった。犬の糞が歩くギャグがあって、なんかもう、そのふざけてる感じが良かった。

皮肉っぽいギャグが多かったけど、あれはイギリスジョークなのかな。

個人的には犬を使ったギャグが面白かった。「合理的に思考できるようになれ」と願うと、犬のバカっぽい話を「合理的に」話し始めるところも面白かった。あと、人が訪ねてきた時に「普通に吠えてみろ」と言われて、「ワン」という人間が犬の鳴きマネをする言い方を犬自身がやっているのとかも面白かった。あとキャサリンを「ビッチ」って言うのとかメチャ可笑しかった。犬が「ビッチ」って言うのは悪気ないだろうなぁ、っていう。

しかしでも、この感じのギャグは見たことあるような気もする。ディズニー・ピクサーの『ボルト』とかかなぁ。あのドアベルがなって興奮してるところとか、「あー、なんかこの動物こういう事喋ってそう!」というギャグ。

 

ただまあ、若干ネタがかぶって行く感じはあって、ネタ切れな感じはしてしまった。でも、何でもありっていう雰囲気は楽しかった。

 

面白かったけど、SFチックな楽しさを期待すると肩透かしか。

 

 

 

関連作品

 

図らずも世界の中心になってしまった主人公。

 

 

サイモン・ペッグ出演作品でかつエイリアン関係。こっちの方が良作だと思う。