アニメ『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』CGもドラマもポリポリしてる

う〜ん。どうだったんだろうか。面白かったような気もするけど、よく分からない。あんまり真面目に観てなかった。なんだか、「真面目に観よう!」という姿勢になれないアニメだった。

単純にCGのせいだったのかもしれないが、しかし、2話目ぐらいからは不思議なことにだんだん慣れてきて、あれはあれで良いんじゃないかという気がしていた。少なくとも、違和感がありすぎて見ていられないという感じではなかった。

特にバトルシーンに関しては、CGっぽさが逆にカッコよく見えたりもして、必ずしもダメダメだったわけでもなかった。けどまあ、ゲームの『メタルギア ソリッド』ぐらいな動き方をしていた気もする。

やっぱり、走り出す瞬間とかって、凄く描くのが難しいんだろうなぁ、と思わされた。重力の中で動き出す瞬間ってけっこう複雑なんだろう。逆にジェットが飛んでいるシーンとか、ジョーが高速で動いているシーンはスピード感があって良かった。

それで結構前の作品なのかと思いながら見ていたんだけど、見終わって調べてみると、2016年らしい。ということは『シドニアの騎士』より後かぁ。シドニアも初めて観たとき凄く変な感じがしたけど、この作品より良かった気がするなぁ。はっきり覚えてないけど。

しかも、3章構成らしい。いや、これは最後の章だったのかな?最初の章か?ネットフリックスでは「シーズン1」とあったんだけど。分からない、まあ、前後どっちにしてもあんまり観たいとは思わない。

 

なんで全然乗れなかったのか・・・。

まず凄く世界が狭く感じたっていうのはある。

悪役は、「世界を滅ぼそうとしている」という、分かりやすいザ・悪役なんだけど、その「世界」があまりアニメの中で描写されない。そもそも一般市民がホントに全然出てこなかったと思う。サイボーグたちに接触してくるジャーナリストや軍人ぐらいのもので、市井の人々って本当にチラッとも出てこなかったんじゃないか。

描くのが大変だったのかもしれないが、モブがいないことと、かつこのポリポリした感じのCG描画によって、凄くゲーム感が出てしまっていたと思う。

つまり、空間(フィールド)があって、キャラクターたちがいて、倒すべき悪者たちがいて、という閉じた仮想空間というか、「世界」っていう感じがしなくて、「ステージ」っていう風に感じた。

だから、キャラクターたちもあんまり生きてる感じがしなくて、それによって全体的に白々しく感じたのかもしれない。

例えばジョーなんか、正しいことしか言わないキャラクターなので、このポリポリしたゲーム感と相まって、製品臭い感じがした。(サイボーグという意味では見事な描写なのかもしれない、っていうのは意地悪過ぎる皮肉だとは思う。)

とはいえ、じゃあ、「ジョー」というキャラクターを、例えば『リトルウィッチアカデミア』の「アッコ」と比べた時に、キャラクターとしての厚みが凄く薄いかって言われると微妙な気がする。アッコはアッコで単細胞だし、人格的にペラいといえばペラい。

 

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 しかし、このアッコの単細胞加減は魅力的に見えてくる。それは多分、他のキャラクターたちとの関係性があるからなんじゃないかと思う。ひとりひとりのキャラクターはある程度は定型的で深みに欠けているとしても、そのキャラクターたちが交わることでちゃんとドラマとして面白くしていくことはできる、ということなんじゃないかと思う。

 

このアニメのサイボーグたちは、あまりドラマ的な絡み方はしなかったように思う。ジョーとフランソワーズぐらいなんじゃないか。でもそこにしても、ラリって現実逃避するところくらいで、あとは特に心通わせる場面なんかなかった気がする。

途中であるキャラクターが死ぬ展開があるんだけど、そこは確かにアツい。このキャラクターの最期の絵の見せ方も含めて、グッと来た。でも、「アツいドラマ」と人間の関わりとしてのドラマはまた違うかな、とも思う。

このアツい展開は、個人として完成されたキャラクター同士の絆とか、信頼とか、そういう形の、言ってみれば「結果」としてのドラマだと思う。これはもちろんアツいんだけど、「凄いヤツが凄いことしてる」っていう、傍観するドラマになってしまうのではないかと思う。

一方で、「過程」としてのドラマっていうのは、お互いに影響しあったり、相手によって価値観が変わったり、人間として成長したりっていうことだと思うんだけど(つまりアッコたち的な)、そういうのこそキャラクターを好きにさせたり、応援させたり、感情移入させたり、感情移入させることによってメッセージを訴えたりするんじゃないかと僕は思う。

このアニメには、そういうドラマはほぼなかったんじゃないかって思う。

サイボーグ009』が連綿と続いてきている作品だということは僕も知っているから、そんなことは今更必要ない、もしくは描きようがないということなのかもしれないとは思うのだが、少なくとも、初めて『サイボーグ009』というものを見た人間としては、いまいちキャラクターたちに魅力を感じられなかったなぁ、と思う。

 

そんなこんなで、まずドラマは乗れなかった。

そして、世界を救うため悪者を倒すストーリーだが、これもいろいろ問題あったんじゃないかと思う。

そもそもブレスドみたいな超能力集団を持ってすれば、あんな宇宙からどうこうみたいな方法じゃなくても、もっと簡単にあの蚊をばらまく方法はあっただろうと思う。

実際、ただ人工衛星を破壊すればいいんじゃないかという話をしていた中で、それでも一部の蚊は地上に達するし、その一部でも十分人類の脅威になりえると言っているくらいなんだから、あの大仰な設備にこだわっていることの説得力が薄いと思った。

国連も操れて、地球上どこにでも行けて、それどころか宇宙まで行ける集団なんだから、全国各地に蚊をばらまくことなんて絶対もっと簡単な方法でできるだろって思うんだけど。

それに、記憶を消す能力があるんだったら、なぜ五十嵐の記憶は消されなかったのかとか、ルーシーの記憶は消されなかったのかとか、後半ブレスドの力を誇示されればされるほど、「じゃあもっと手前でこうしとけば」っていうツッコミどころがどんどん生じてきてしまっている。

 

それから、チーム感の強いキャラクター配置なわりには、あまり各キャラクターの活躍を描ききれていなかったのではないかと思う。

特に、最後結局ほぼジョーひとりの反則的な能力で勝つのはやっぱりつまらなかった。『リトルウィッチアカデミア』『鋼の錬金術師』を観た後だと、凄く安易な勝ち方に見えた。まあ12話しかない中なので、難しいのかもしれないけど、いやはやでも『魔法少女まどか☆マギカ』もそれくらいの話数だから、そういうのに比べると薄いと感じざるをえない。