映画『アドベンチャーランドへようこそ』誰かの妄想だった

そもそもストーリーがつまらなかったのだが、そのあたりは好みの問題かもしれない。あと映像や音楽も、個人的に全然ハマらなかった。いや、印象が良ければ良く感じられたのかもしれない。

なんていうか、誰かの妄想を大真面目に見させられているかのような居心地の悪さがあった。萌えキャラ系のアニメを見ている時のような。

僕は一応アニメもちょこちょこ見ているのだが、例えば『ソード・アート・オンライン』というアニメをご存知だろうか。これはもうどうしようもない中学生が考えたかのような妄想のオンパレードであって、恐らくそういう設定に乗れる人以外には、イタくてイタくてしょうがないアニメだと思うのだが、それと同質なものを感じた。

いや、アニメに関しては、そのバカバカしさ、浅はかさは承知の上で、乗っかって楽しむという文脈があるんだろうなぁ、と思ったりする。なので、そういう「敢えて」な楽しみ方というか、言ってしまえばポルノ的な、都合よく気持ち良いもの見せてくれ的な見られ方をしている部分があるんだろうと思っている。

(断っておくが、僕はアンチ萌えキャラでもないし、日常系アニメとかは嫌いではない。キャラクターが嫌いなのではなくて、ポルノ的にご都合主義のキャラクター関係が嫌いなのだ。)

この映画は、そういう映画なのだろうか。

 

僕はかなり大真面目に観たんだけど、そうであるほど、主人公の根拠なきモテ方が、作り手の妄想にしか見えなくて気持ち悪かった。細かくネチネチ悪口を言ってもしょうがないが、これ、大の大人が、感動の青春ラブストーリーとして大真面目に作っているんだろうか。

 

そもそも、エムが都合よく描かれ過ぎでしょう。

エムのようなちょっと暗い、謎めいた感じのキャラクターは僕は好きだし、そういうキャラクターがジェイムズのような冴えない男と恋をするっていうこと自体は面白い。

ただ、その描かれ方の説得力のなさ。ジェイムズが好感を持たれる理由がマジでひとつも描かれてない。

にも関わらず、エムはジェイムズに対して常に弱い立場であり、とにかく後ろめたく振る舞っている。そしてジェイムズに「それを受け入れる俺」的な分かりやすい役回りを担わせることで愛の深さを示す超安易な展開からラストに恋を成就させる流れとか、本当に、もう、なんなの。

 

その他、リサにしてもコンネルにしても、こんな後腐れなくサバサバした感じで、あのど田舎の狭い人間関係が回っていくかね。エムの義母の意地悪さも、シンデレラかよってぐらいの紋切り型で、こんな分かりやすい人間関係ってあるか。

それに、勢いでニューヨークに行ったのだって、なんか愛の力で美談になってるけど、結局無一文で女の部屋に転がり込んでるだけのようにしか見えないし、なんかモヤモヤする。

そこに関しては「青春だから」で済ませてもいいのかもしれないが、でも、やっぱり「愛の力」なんだったら、ジェイムズの方にも痛みが伴うような展開にしなければいけなかったんじゃないのか。なんか、大事な何かを手放してでも、エムに会いに行くっていう展開にしなければいけなかったのではないか。

 

そう、この映画、ジェイムズが甘やかされっぱなしで、何もシンドいことないんだよ。

両親の仕事のせいで大学院行けなくなってっていうのはある。でもそれはストーリーを始動するきっかけであって、ストーリー内の苦しみじゃない。

確かに、エムが不倫してたってのはある。でもそれにしたって、相手の話を聞いたり、それを引き受けるシンドさは回避して、「俺は傷ついた!」つってプンプン怒って、「いや、むしゃくしゃしたら他の女誘うし」みたいな感じ。そこで、ひとり悶々と苦しむことはしてないわけじゃん。

それで、「やっぱ好きだ」って勢いでニューヨーク行って、失ったのは退屈な田舎の生活だけ。エムも不倫の噂を広めたことは怒ってなくて「私が最低だったの」って言ってアパートに上げて。なんだそりゃ。都合良すぎだろ。

 

2時間弱妄想を見せられた怒りで書いているから、ちょっと嫌な文章になっているけど、いや、でもちゃんと最後まで観たから書く。ホント、こういうストーリー無理だ。

 

 

 

関連すると思う映画

 

 

yuruikansou.hatenablog.com

 

yuruikansou.hatenablog.com

 

yuruikansou.hatenablog.com