映画『グレート・ビューティー/追憶のローマ』年齢不足で分からん

ここ数日、サクッと見れて心温まる系のヒューマンドラマを求めてネットフリックスで連日映画を見ているんだが、なんか外れる。いや、別に外れて面白かったりするからいいんだけど、「おい!あらすじ!」ってな気分である。

 

この映画に関して僕はほぼ何も書けない。分からないから。どう考えても対象年齢じゃないし。ただ記録として今感じたことだけ書く。

 

まず退屈だった。エンドクレジットになった瞬間に余韻ゼロでフルスクリーンをオフにして映画から逃れた感じだった。ちょっと疲れている中観たので(だから軽い映画観たかったんだけど)正直しんどかった。

ただ、上質感はあったので、ダメな映画でないことは伝わってきた。

映像が綺麗だったが、僕が好きな感じの絵ではなかった。ただ、凄く絵画っぽいので、宗教画とか、ルネサンス絵画とか好きな人はとても感動するんじゃないかと思った。絵みたいな構図とかじゃなくて、「もはや絵じゃん」というシーンがけっこうあった。

セリフに含みがたくさんあって、正直考えるのがめんどかった。あと顔がなんか覚えにくかった。いい歳こいて醜悪な大人たちがたくさん出てきてうんざりした(この辺は共感できた)。

ヌードがたくさん出てきたが、全然エロく感じなかった。ジェップが手を後ろに回してとぼとぼ歩いているシーンは印象に残った。あとカメラが動きながらカットが変わっていくシーンが多いが(冒頭からそう)、カッコいいっちゃカッコいいけど、ミュージックビデオっぽく見えて、品を落としてた気がした。

 

醜悪な奴らに囲まれて、人生を浪費してきて、俺これでいいのか、みたいな感情は伝わってきたが、人生経験も違うし、生活があまりにも僕の知らない世界過ぎて、基本的に主人公に共感はできず、「知らんがな」ってなってしまった。

それから、ストーリーが散発的というか、筋というより、社交界などを通じて人に会っていくという構成になっているので、筋を追うことでジェップの気持ちを考えたりすることもできなかった。

だから、これは本当に、ジェップの気持ちを分かる人が観ないと、ただなんか哲学的な感じのよく分からんアート映画だと思ってしまってもしかたないんじゃないかと思う。逆に、ジェップの気持ちが分かれば、そういう散発的な出会いや会話からも、彼のいろんな感情の機微を感じ取れて、共感し、いろいろ思わされるのだろうと思う。

 

例えば、説明しやすいところで行くと、ジェップが葬儀について語るシーンがあるが、これはやっぱり葬儀を何回も経験している人じゃないと、その意味するところを読み解きようがないじゃないかって気がする。

逆に、似たような経験がある人であれば、その人なりの葬儀観と重ね合わせて、「そうだよなぁ」って思ったりできるんじゃないだろうか。

僕はないので分からん。という話。

 

あとこれは好みの問題だが、僕はそもそもアート系な映画はあまり好きじゃない。哲学的なことは嫌いじゃないが、そういうのは本で読みたいと思う。

僕が映像で観たいのは、ストーリーとキャラクターによるある実感だ。

この実感は哲学的なものでも、ただ楽しいとか、ワクワクするでもいいのだが、まず体感として何かを感じたいと思っている。頭で考えて理解するのではなく、まず実感として楽しいとか重たいとか、辛いとか羨ましいとか、なんでもいいんだけど、そういうことを感じたい。

これは、「受け身で見るからバカでも分かるように作ってくれ」という意味ではない。ちゃんと観るけど、どこを追って観ていけばいいのかは、解説とかじゃなくて映画の中で伝えて欲しいと思っている。それがストーリーの大きな役割だとも思ってる。

解説を見れば分かるとか、象徴を読み解けば理解できるとかじゃなくて、とにかく映像として追っていけば、ある実感が湧いてきて欲しいと思っている。

そういう映画がダメな映画というわけじゃない。ただ好みの問題。

 

この映画が、そこまで観客を突き放した映画だとも思わないが、ただやっぱり、若者に開かれている映画でもないだろうと思う。

うん。分からなかったし、分かる努力をしようと思えるような感情も湧かなかった。歳を取ってから観ないと、頭でっかちに分かろうとしても意味ない気がする。